両利きのひと
さっきまで愛してたひとが
一瞬にして嫌いになってしまう
条件反射というか
そうじゃないというか
理屈でどうにもならないから
困ってしまう
だけども彼は言いました
左利きだけど
書道は右利き
おはしを持つときは右利き
ギターは右利き
そんなひとがいるじゃない?
そんなものに近いのだけれど
特別な、そんなときに、
自分の強みを握り締めたくないと
要するに、
自分は左利きでも、如何なる場合に
右利きの君に寄り添えることができるよ
ってそう言いたかったんだとおもう
ずぶ濡れになるほどの贅沢だと
胸に刺さった
同時に
幸せになる(してあげる)ということの
本質的なものがなんだったか
わからなくなってしまった
できれば時速でふつふつと
頭のてっぺんから輪郭を辿って
薄っぺらい唇も
不揃いになった睫毛も歯並びも
文字まで
愛でてくれるような
そんな人に出会いました
脳裏に焼き付く景色
汗ばむくらいの湿度
心地いい匂いや音
そんなカテゴリ全てにおいて
自分がスパイスになりたい
「なってあげたい」
目眩がするくらいの愛を
躊躇いもなく貰える歳になったことに
心から感謝です
ラッキーアイテムは赤いマニキュア
きょう
とんでもないことがおこった
いままでずっとずっと
さそり座だと思ってたけど、
ほんとはいて座だった
とんでもないことよ
わたしはさそり座の女なんだって
ちょっと悠々としてたのに
ラッキーカラーに合わせて纏った服も
カバンにつけたストラップも
無理して食べた白いごはんも
なんの意味もなかったの
なんの色も温度も示さなかったのよ
けどむかしを辿ってみたところで
シンデレラストーリーみたいな
空を仰ぐようなものより
煙たいことのほうが多かったから
そんな気がするから
もう少し逃げ隠れしながら
ときにぶっきらぼうに
「矢」を射って
心臓まるごと届けられるように
自分を「わたし」として
演じられたらとおもう
いて座のわたし
きょうからよろしくね
さそり座のわたし
おやすみなさい
ミルクティーに蜂蜜がはいってるって嘘ついた
心地よい愛もときには重荷だったりする
なにもかもがオーバーヒートしてしまう時期
上下左右それぞれ3センチくらいあけて
自分の囲いに閉じこもってしまいたい
そんなかんじ
普段聴かない音楽をきいてみたり
見たことのない景色を見に行ってみたり
雨に打たれるために傘を持たなかったり
春を待ちわびすぎて疲れてしまったみたい
むかしのことを思い出したい
とてもロマンチストとは言えないけど
季節の変わり目を匂いで感じて
そんなことを毎年どちらからともなく
確かめ合ってたこと 愛しくて
鼻の奥がツンとする
いまはそれだけでいい
愛してたちゃんと
振りまけなかっただけ
愛情の持ち腐れ
気持ちが特別な日は
特別な服で身を纏って
一日が特別な日のときは
特別な靴で背伸びをする
きょうはそのどっちも
髪型まで特別にするときは
上手に幸せが隠せないとき
鏡越しにいい顔してるなって思う
我ながらね。自惚れとかでなく
けど特別っておわってしまった途端に
このヒールほんとはつま先
こんなに痛かったんだとか
あしたの会議やだなぁとか
「無理」がしっかり「無理」として
正面衝突してくるから
しんどいしくるしい
それでも特別を上書き保存したくなるのは
愛をもって自分を人たらしめたいからなのかも
だから日々愛情の貯金をしていこうと
きょうも思ったのでした。
February🐇
2月
きさらぎ
これからもっともっと寒さが
わたしを焦がしてゆくから
衣(きぬ)を更(さら)に着(き)ましょうね。って
単純な言葉並べが繊細で
機微に触れているようで
どことなく巧みで美しい
⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰
オフィスレディーをはじめて
2ヶ月が経とうとしています。
(オーエルよりオフィスレディーのほうが
上品でしょ?)
さいきんは
オフィスタワーの中に入ってるコンビニに
毎朝焼きたてパンが並ぶこと
高層タワーの最上階から見る
この上ないほど贅沢な景色も
馴染んでしまうと気持ちが褪せてしまうこと
そんなことを覚えました
焼きたてパンの匂いは幸福です
毎朝何を買うでもなくコンビニにゆきます
泥棒、万引き。紛れもなく
でもたまに、
キャラメルを仕方なく買ったりします
きのうは朝においしいホットドッグを
高校生の修学旅行でシドニーにいったとき
ボンダイビーチかな?
の近くでたべたホットドッグ屋さんの味
絵に描いたような
教科書に載っているような
それでいて想像を上乗せするような
体に悪そうな添加物、着色料
それこそが瞼をギュって瞑るくらいに
思わずいつもより1オクターブ
高い声が出てしまうくらいに
しあわせの味だと信じます
無添加を愛せるほど
素材にこだわり持ちません
しょくもつに限ったことではなく